漱石 草枕 ― 2010/12/11 20:01:45
漱石三部作を読み終え、
そうして、そのあとに草枕を読んだ。
漱石の書く女性は、生きがいい。
戦争に行く、従弟の久一に、
「那美さんが軍人になったらさぞ強かろう」と言う兄の言葉に、
「わたしが?わたしが軍人?わたしが軍人になれりゃとうになっています。
今頃は死んでいます。
久一さん、お前も死ぬがいい。生きて帰っちゃ外聞が悪い。」
とさらりと言わせる。
そんな彼女を、画家である余は描ききれないでいる。
なんとものんびりとした情景のなか、久一を見送る停車場で、那美さんの表情が一変する一瞬がある。
二十世紀の幕開け、日本が日露戦争へ向かって、ひた走ろうとしていた時の空気感をこういうふうに描くのだ
坂の上の雲でも、丁度、日露戦争へ向かう場面を軍人である秋山兄弟に焦点をあて描いている。
漱石は、草枕を書きながら、何を思い、何を感じていたのだろうか?
そうして、そのあとに草枕を読んだ。
漱石の書く女性は、生きがいい。
戦争に行く、従弟の久一に、
「那美さんが軍人になったらさぞ強かろう」と言う兄の言葉に、
「わたしが?わたしが軍人?わたしが軍人になれりゃとうになっています。
今頃は死んでいます。
久一さん、お前も死ぬがいい。生きて帰っちゃ外聞が悪い。」
とさらりと言わせる。
そんな彼女を、画家である余は描ききれないでいる。
なんとものんびりとした情景のなか、久一を見送る停車場で、那美さんの表情が一変する一瞬がある。
二十世紀の幕開け、日本が日露戦争へ向かって、ひた走ろうとしていた時の空気感をこういうふうに描くのだ
坂の上の雲でも、丁度、日露戦争へ向かう場面を軍人である秋山兄弟に焦点をあて描いている。
漱石は、草枕を書きながら、何を思い、何を感じていたのだろうか?
夏を愛する言葉 若山牧水 ― 2010/07/21 22:01:58
夏と旅とがよく結び付けられて稱えらるゝ様になったが、私は夏の旅は嫌ひである。山の上とか高原とか湖邊海岸といふ所にずっと住み着いて暑い間を送るのならばいゝが、普通の旅行では、あの混雑する汽車と宿屋とのことをおもふと、おもふだに汗が流るゝ。
夏は浴衣一枚で部屋に籠るが一番いゝ様である。静座、仰臥、とりどりにいゝ。ただ専ら静かなるを旨とする。食が減り、體重も減る様になると自づと瞳が冴えて来る様で、うれしい。
夏深し いよいよ痩せて わが好む 面にしわれの 近づけよかし
水楼にて ― 2010/07/15 22:30:41
空には七月の太陽
白い壁と白い河岸通りには
海から上る帆柱の影
どこかで鋼鉄の板を叩く
船大工の槌がひびく
私の肘をつく窓には
快い南風
窓の直ぐ下の潮は
ペパミントの酒になる
by akiko yosano
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